前回、2017年にケアンズに行ったときのご縁で、今回オーストラリアのケアンズで、ドッグトレーニングとマッサージのクラスを開催することになりました。

全28回のレッスンに、延べ40頭のワンちゃんが参加してくれました。
大きい子はグレートデンmixから、小さい子は日本規格のトイプードルまで。
大きさ、そして犬種もバラエティーに富んだ、たくさんのワンコと触れ合うことができました。
この2週間でとくに大きく成長した犬たちについて、振り返りたいと思います。
ビリー(ボクサーMix・メス)

実は、今回、ケアンズでしつけ教室を開催するきっかけになったコです。
みんなが集まるドッグパークで他の犬を襲う大型犬がいて困っている。飼い主もいろいろなトレーナーの下でトレーニングを受けてきたが一向に解決しないので、どうにかならないか?
という相談から、このオーストラリアでの教室がスタートしました。
マズル(口輪)をつけた黒いボクサーMixの写真が送られてきたのを見たとき、果たして自分にこの子を直せるのか、不安がなかったと言えば嘘になります。

ビリーのレッスンの経過
オーストラリアも日本同様、ドッグトレーニングといえばコマンドで犬を操作することを教えるものばかりで、生活上手な犬のココロを育てるトレーニングではありませんでした。
命令に対して動作ができるというだけでは、生活上手な犬になることはできません。ただのロボットと同じです。
このため、ビリーの飼い主さんが何件ものドッグトレーナーのレッスンを受けて、どんなにコマンドで操作ができるようになっても、ドッグランでの問題の解決にはならなかったのです。

何も分からない子犬の頃、ドッグランは楽しい場所だったかもしれません。
しかし、犬は産まれて1年足らずで、あっという間に大人になります。
大人になれば、子どもの頃に楽しんでいたものに興味がなくなったり、苦手になったりすることは、人間と同じように犬にもあります。
むしろ、動物のほうが人間に比べて、大人になると子どものようなことをしなくなるのが普通です。
にもかかわらず、飼い主が愛犬の心の成長に気づかずに無理を強いることで、うまくいかなくなることはたくさんあります。

しかし、苦手なことをすべて避けて生きていれば、どんどん行動範囲が狭くなり、些細なことがストレスになって、生きづらくなってしまうのは、犬も人も同じです。
たとえ苦手なことであっても、飼い主との生活に必要な範疇のことであれば、ある程度はガマンをしてやり過ごす術を身に付けなければなりません。
ビリーの家にはほかにも2匹の同居犬がいました。
彼らはドッグパークで他の犬と遊ぶのが大好きなので、ビリーもドッグパークで過ごさざるを得ない事情がありました。
このため、他の犬が近くに来ても吠えたり攻撃して追い払わずに、「自分は遊びたくない」という意思を示すように教えていく必要がありました。

ビリーは図体こそ大きいものの、とても繊細な女の子でした。
とにかくパーソナルスペースが広く、他の犬が近くにいるとイライラして落ち着かなくなり、遠ざけたくなってしまいます。
しかし、これまでのレッスンで、飼い主と一緒に努力を積み重ねてきた結果、ビリーは自分にだんだん自信を持てるようになり、集中力もついてきました。
その結果、狭いレッスンスペースの中で、他の犬たちと頭を突き合わせるようなパーソナルスペースのない空間で、他の犬に気を取られずに、自分を出すことができるようになっていました。

飼い主さんがビリーとのコミュニケーションの取り方を習得し、動作をコントロールするのではなく、犬の感情の揺れを適切にコントロールすることが、ともに暮らす家庭圏にとって必要なことなのだと理解してからは、ビリーはあっという間に成長し、マズルを着ける必要がなくなりました。


まとめ
そして、今回のレッスンで飼い主さんたちから頂いたレッスン料は、見学に行ったペットの保護施設のRSPCAとYAPSに寄付します。
この経験を日本でのレッスンにも活かしていきたいです。

*2019年個人Facebook投稿からの転載
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