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「ほめて伸ばす」しつけでは育たない

犬を家族の一員として迎え生涯ともに暮らしていこうとするとき、人間の子どもを育てるときと同じようになんでも甘やかしすぎるのは良くありません

犬にも発達段階(年齢ステージ)に応じた躾と教育をしっかりとしなければなりません。

家族とともに暮らしていくなかで近隣社会で適切に振る舞うことができる犬に育てるためには、ときに厳しく指導することも必要です。

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「してはいけないこと」を知ることができない

なぜなら、褒められるだけでは「してはいけないこと」が何なのかを犬が理解することができないままだからです。

このため、褒めるだけの叱ってはいけない「しつけ」方法では、逐一飼い主が犬の行動を監視し何かあればオヤツやおもちゃで気を引くなどして、犬が問題行動をとる状況を避けてやり過ごすしかなくなるのです。

多くの飼い主さんたちが愛犬に嫌われることを恐れて叱るよりも安易なこのような方法を選択しがちであることをとても残念に思っています。

しかし、こうした安易な方法は長期的な視点に立ってみれば愛犬にとっても飼い主にとっても良いことではありません。

ルールに基づき、根気よく教えることで成長できる

飼い主がしっかりとしたルールに基づき、愛情を持って根気よく教えていくことで犬は成長し飼い主との信頼関係を築いていきます。

もちろん、かわいい愛犬を厳しく叱ることは飼い主にとって辛いことかもしれません。

しかし、飼い主が愛犬にしてほしくない行為を正しく叱ることは、叱られることがないまま成長した結果、いつまでも愛犬が正しいふるまいを学ぶことができずに近隣トラブルを起こしたり、危険な状況に陥ったりすることを防ぐことができます。

「嫌われ役」が信頼を獲得できる

飼い主が嫌われ役を引き受けることで、愛犬はより良い生活を送ることができるのです。

飼い主は「嫌われ役」だと思うかもしれませんが、実はきちんと叱られた犬のほうが、むしろ叱ってくれる飼い主に安心感をおぼえ、信頼を深めるのです。

厳しくするのが可哀そう(=自分が嫌)だからと愛犬の躾と教育を怠ってしまうと、他の人や他の犬に迷惑をかけることにもつながります。

ひとたび、近隣と深刻なトラブルに発展してしまえば飼い主の責任が問われることになりますし、安心して今の場所に住み続けることが難しくなることさえあります。

飼い主が愛犬のことを尊重しつつも、しっかりとルールを守らせることは、愛犬にとっても飼い主にとっても幸せな関係を築くために欠かせない要素です。

それは決して簡単なことではありませんが、愛情と責任を持って取り組む価値があります。

犬と暮らすすべての飼い主が、果たすべき責任とその重要性について改めて考え、愛犬と真の絆を築いていってほしいと願っています。

Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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