たくさんありすぎてどれがいいか分からない…
はい。
Suzyも本当にそう思います。
ひと昔前と比べて店頭で売られているドッグフードの種類も格段に増えています。
これにくわえてネット専用で販売されているものを加えると本当に数え切れないほどです。
ここでは、お迎えしたワンちゃんのためにフード選びのヒントを知りたい方に向けたアドバイスをお伝えします。
ドッグフードを選ぶ際の3つの指標
星の数ほど売られているドッグフードのなかから愛犬に合ったものを選ぶ際は以下の3つの指標をもとに絞り込んでいきます。
- 1カ月に使える食費の予算
- 年齢・体質
- バリエーション
1カ月に使える食費の予算から絞り込む
ドッグフードの価格はピンからキリまでさまざまですが、犬の大きさから1カ月に食べる量をおおよそ割り出し予算の範囲内でその量を買えるものから選びます。
ここで、注意したいのは1パックの量はかならず「1カ月以内で食べきれる量」であることが重要です。
1カ月で食べ切れるパッケージを購入
賞味期限にかかわらず1カ月以内に食べきれる量のパッケージを購入しましょう。
ドッグフードのパッケージに記載されている賞味期限は未開封の状態での期限を示しています。
「大袋で買えば割安だから」と食べ切るのに何カ月もかかるような大袋を買っている飼い主さんも少なくありません。
しかし、ドッグフードは開封直後から酸化が進みあっという間にフードの質が落ちてしまいます。
その結果、下痢や嘔吐などを起こして病院にかかる羽目になり犬も飼い主(のお財布)も痛い思いをする羽目になります。
安売りで得をするはずが本末転倒です。
ドライフードを購入する際は開封したら1カ月以内に食べきれる量のパックを購入しましょう。
真空パックで小分け保管するならOK
ただし、真空パック用のマシンを購入して自宅で1食分ずつ小分けにするというのであれば大袋で購入しても大丈夫です。
便利な小分けパックのドッグフード
ドッグフードの劣化を防ぐために1食分ずつ真空パックにしておいたドッグフードは使いみちがいろいろあって便利です。
- 旅行に連れて行くとき
- ペットホテルに預けるとき
- 災害時の備蓄用
の食事としても使うことができます。
もとから小分けで売られている「無添加フード」
さらに、防腐剤等を添加していないドッグフードの賞味期限は「開封後1週間」程度となっていることが多いようです。
賞味期限が短いため無添加ドッグフードはもとから小分けパックになった状態で販売されていることが多いです。
開封前の賞味期限はほかのドライフードと同じように長いためまとめ買いをして災害用やお出かけ用として備蓄しておくこともできて便利なのでお勧めです。
Suzy宅ではワンフーの12kg.入りを愛用中です。
200gずつの小分けパックが12キロ分入っています。
値段が高ければ「良い」とも限らない
また、値段が高ければ高いほど「愛犬にとって良いフード」であるかといえば、そういうわけでもありません。
もちろん、価格設定には原材料費も反映されているため質の良い材料が使われていることがほとんどです。
しかし、人において値段がいくら高くても口に合わなかったり体質に合わない食事があるように犬とドッグフードの関係にもそのようなことが起こり得ます。
ちなみに、「柴犬気質」のレア姫には以下のフードが身体に合っていました↓
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あまりに安すぎるフードは心配ですが1キログラム入りのパッケージの定価が800円以上の(ドライ)ドッグフードであれば心配するほど粗悪な材料を使っているとは考えにくいでしょう。
ドッグフードを選ぶ際はパッケージの裏面の原材料を読みつつどんどん新しいフードにトライしていくのが良いと考えます。
お値段がリーズナブルでなおかつ愛犬の身体に合うドッグフードが見つかればラッキーなのではないでしょうか?
年齢・身体の状態から絞り込む
さまざまな銘柄が売られているドッグフードは、それぞれがさらに年齢や健康状態によっておおよそ以下のようにさらに細分化されています。
- 子犬・母犬または痩せすぎの犬
- お腹が弱い子
- ぽっちゃり犬
- シニア・老犬
- 犬種専用のフード
子犬や痩せすぎている子
子犬とその母犬または保護されたばかりで栄養不足の犬などは普通の犬たちよりも多くのエネルギーを必要とします。
カロリー高めのフードを選ぶ
このため「パピー用」などのカロリーの高いフードを与えて適正体重をめざします。
消化の良いものを選ぶ
胃腸が弱くてたくさん食べられないばあいはドッグフードにこだわらず消化がよく比較的カロリーの高いもの(高栄養剤、イモ類、ヤギミルクなど)を与えることも考えます。
食餌の回数を増やす
また、食事の回数は必ずしも1日2回とする必要はなく3回や4回など回数を増やして必要な量を食べさせることで対処することも考えます。
お腹が弱い子
環境の変化に弱いタイプは新しい家にやってきた当初お腹が弱いことも多くウンチの状態が安定しないこともよくあります。
消化がよくなるように加工された療法食を与えると比較的ウンチの状態が安定しやすくなるため、迷ったら低分子プロテインの療法食から選ぶとハズシがないと思います。
低分子プロテインのドッグフードは、食物アレルギーによる皮膚症状および消化器症状を防ぐ目的で材料のタンパク源を加水分解してあるドッグフードです。
低分子プロテインのドッグフードの例
ぽっちゃり犬
保護直後のガリガリの様子をみた保護施設のスタッフの「腹いっぱい食べさせてやりたい」との気持ちから食べたいだけゴハンを与えられた(そして、あまり運動する機会がない)結果、保護時の痛々しかった面影はどこへやら、すっかりメタボ体型になっている保護犬もいます。
また、元の飼い主の歪んだ飼育方法によって保護時点ですでに相当な肥満であるケースもあります。
こうしたばあいは、適正体重まで体重を減らさなければ健康に害が出てしまうためダイエットが必要になります。
人よりもゆっくりペースでダイエット
「肥満用」「ライト用」といった表記のあるフードを試してみてもいいです。
または、通常の成犬用フードに低カロリー食材(野菜類)をくわえてカサ増しして空腹感を減らしつつ摂取カロリーを減らしていくのがお勧めです。
また、併せて日々適度な運動(お散歩)で筋肉をつけることも大切です。
急がず、ゆっくりと体重を減らしていきます。
シニア・老犬
歳をとっていても胃腸が丈夫で食欲旺盛であれば成犬用のフードで大丈夫です。
もし、消化機能が落ちてきたなと感じたらシニア用フードも選択肢に入れても良いと思います。
食が細くなり寿命が近づいていることを予感させるほどに身体が弱ってきたらドライフードやペット専用フードにこだわらず食べられるものを食べたいだけ与えることも必要かもしれません。
犬種専用フードは?
ちなみに、さまざまなペットフードメーカーから犬種専用フードが販売されていますが特定犬種専用フードの内容は他犬種のものと中身にほとんど違いはありません。
愛犬と同じ犬種の専用フードだからといって絶対に愛犬にピッタリ合うとは限らないのです。
ドッグフード選びに疲れたときは犬種専用フードを試しに食べさせてみるのも良いかもしれません。
トイプードル専用
チワワ専用
ダックスフンド専用
胴長短足で腰のトラブルが起きやすいダックスフンドは他犬種のフードと比べてコンドロイチンが多めに含まれていることもあるようです。
ミニチュアシュナウザー専用
柴犬専用
バリエーションをつける
人と比べて同じものを食べ続けていても食べ飽きることが少ないのが犬です。
そして、急にいつもとちがう食事を与えると胃腸を悪くすることもあったりします。
それでも、いつも同じドッグフードで良いのかな?と何かバリエーションをつけてあげたいと考えている飼い主さんもたくさんおられます。
そのようなときは以下の3つをご提案しています。
- 水分を加えるひと手間をかける
- フードローテーション
- 手作りごはん
水分を加えるひと手間をかける
東洋医学的に水分不足のワンちゃんは少なくないとか。
Suzyはケージに取り付ける給水ボトルが流行ったことも一因かと思っています。
給水ボトルの例↓
給水ボトルには水の中にゴミやホコリが入らないことや、お水の皿をひっくり返されないで済むというメリットはあります。
が、どうしてもお水が飲みづらく給水ボトルのみで必要な量をしっかりとれている子は少ないです。
このため、給水ボトルを利用しているばあいはボトルに入れたお水のほかに意識的に水分をとらせる工夫が必要になります。
薄めた味噌汁やお茶でOK
カリカリのドライフードに季節のお野菜を入れた味噌汁(味噌を入れる前or薄めたもの)や麦茶をかけるなどするだけでも、水分摂取量が増えて体調が変わってくることも少なくありません。
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フードローテーション
同じメーカーの同じフードばかりをずっと食べ続けていると、なかにはほかの銘柄のフードを食べられなくなってしまう子もいます。
わがままなのではなく(そういうケースもありますが)胃が受け付けなくなってしまうことがあるようです。
いろいろなものを美味しく食べられるよう3~4カ月に1回程度のスパン(つまり季節ごと)で別のフードに変えていくのもお勧めです。
これを「フードローテーション」と言ったりします。
このときベースのお肉(たんぱく質原料)や穀類の種類を季節によって変えると食物アレルギーを発症しにくくなったり、東洋医学的には体調によい影響をもたらすこともあります。
タンパク質(肉・魚・豆)の種類を変える
犬はもともと肉食なので、ドッグフードの主原料は「タンパク質」です。
東洋医学ではこうした肉の種類は体質に影響を与えるとされていて、タンパク質の種類や割合のちがいが愛犬の体質に合う・合わないを左右することが実感としてもけっこうあります。
マウスでは食事のタンパク質比率による健康度のちがいについての研究があります↓
代表的なたんぱく源の種類
- チキン
- ビーフ
- ラム
- 馬肉
- 鹿肉
- 猪肉
- 魚
- 豆
チキン(鶏)
1年中オールマイティに使えるお肉です。
ほかのお肉を使用したドッグフードと比べて価格もリーズナブルなためチキンの混ざっていないドッグフードを探すのが難しいほど、ほとんどのメーカーがチキンを使ったドッグフードを販売しています。
このためアレルギー検査をしたら「チキン」に陽性反応が出たという子も割といるようです。
ビーフ(牛)
身体を温め筋肉をつけ、足腰を丈夫にする効果があるとされます。
比較的、虚弱体質なワンちゃん向きの食材と言えます。
ラム(羊)
東洋医学的にラムは身体を温める食材のため身体に熱をもっている体質(興奮しやすい・よく身体をかゆがるなど)の子には合いません。
もし、愛犬が上記に該当する体質にもかかわらずラム肉のドッグフードを食べさせているばあいは症状を悪化させる要因になっているかもしれません。
もし、ラム肉を愛犬に与えたいばあいは(上記の体質でないばあいにかぎり)冬場に与えるドッグフードとしては良いのではないかと思います。
馬肉
2000年台半ば頃、犬に生肉を与える「生食」がブームになったことがありました。
当時のしつけ教室にはソワソワと落ち着きがなくすぐにブチ切れる犬が増えました。
そういう犬の飼い主さんたちに「愛犬に何を食べさせているのか?」と聞くと生の馬肉という答えが返ってきました…。
馬肉は直に貼ると熱を冷ます湿布薬のような効果を発揮するため馬肉の産地では身体の炎症箇所に生の馬肉を貼るという民間療法があります。
しかし、若い犬に食べさせると『興奮剤』になってしまうようです。
馬肉が必要なのは飼い主が『もっと明るくなって欲しい』と思うような虚弱体質のワンちゃんに限定されるでしょう。
ベニソン(鹿)
害獣として駆除される数が増えたため鹿を使ったオヤツやフードの商品がたくさん増えてきました。
鹿肉は体力の落ちてきた老犬の体力回復に役立つ効果があり、とても優秀な食材です。
せっかくの命を無駄にしないよう積極的に美味しくいただきたいですね。
イノシシ(ボア)
鹿と同様に害獣として駆除される猪も、まだまだ数は少ないですがドッグフードの材料として使われています。
猪は英語で「wild boar」と呼ぶためフードの材料として「ボア」と書かれていることが多いです。
猪肉を使ったドッグフードの数も少なく豚肉とのちがいについては、まだよくわからないです。
魚
お肉にアレルギーのあるワンちゃんには魚をたんぱく源としたドッグフードもあります。
魚は水の中で生きているため犬よりも体温が低いことから東洋医学的には身体の熱を冷ます効果があるとされています。
つまり、魚は夏場向きの食材です。
「お魚ベースのドッグフード」といっても使われている魚はカツオやマグロなど赤身の魚のほか、鮭やその他聞いたこともないような名前の白身魚など、さまざまな種類の魚が原料として使われています。
厳密には赤身の魚と白身魚でも効能は変わってきます。
でも、愛犬に実際に食べさせてみて合う合わないを確認するのが一番手っ取り早い気がします。
ベジタリアン(動物性たんぱく質不使用)
体質的にどうしても動物性たんぱく質を摂取することができないワンちゃん向けに豆などの植物性たんぱく質を使用したドッグフードもいくつか販売されています。
植物系食材の種類を変える
ドッグフードを変更する際には肉などのたんぱく源の種類を変えるほかにも炭水化物の素となる植物系食材の種類についても比較検討項目としておく必要があります。
2000年台半ば頃、「犬は本来肉食なのだ」といって犬の生食(生肉を与える)ブームが沸き起こりました(馬肉の項目を参照)。
グレインフリー・ブーム
2010年あたりからは「犬は本来肉食なのにドッグフードに穀類が入っているから犬たちが病気ばかりするようになったのだ」という説とともにペットフードの「グレインフリー」が流行し始め、今やすっかり市民権を得ています。
Suzyは個人的には「グレインフリーでないと絶対にダメ」という犬に会ったことがないのですが、飼い主さんたちは「犬の食事は”グレインフリー”でなければいけないのだ」とペットショップで教わってくるそうです…。
グレインフリーのドッグフードは穀物を使用したドッグフードに比べて値段は割高ですが、皆さん店員さんの助言に忠実に従ってグレインフリーのドッグフード以外は食べさせないようにしているようです…。
グレインフリー(穀物不使用)
英語で言われるとたいそうな感じがしてしまいますが、要は小麦の代わりにポテトや豆などが使われているドッグフードのことです。
米
小麦を避けるという意味でドッグフードの材料にお米を使っているドッグフードもあります。
国産原料を売りにしているドッグフードにはお米を使ったものが多いです。
手作りごはん
より愛犬の食事に手をかけてあげたいと思う飼い主さんは手作り食にチャレンジしてみることも悪くはありません。
ただし、犬が「食べてよい物・ダメな物」に関する知識など犬の栄養学についてはきちんと学ぶことが大切です。
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ウチのコに合っているかどうかの判断方法
試供品の1食分のサンプルでは愛犬の「食いつきの良しあし」しかわかりません。
まずは、新しいドッグフードを1カ月間与えて続けてみて食べきる頃の身体の状態の変化で考えます。
新しいフードへの切り替え方
食いしん坊でお腹が頑丈なコだったら、いきなり新しいドッグフードに変えてもへいちゃらかもしれません。
ですが、犬の食事の内容を急に変えると消化が悪くなることがあります。
1週間かけて徐々に
このためフードの種類を変える際は、徐々に新しいフードの割合を(1割ぐらいずつ)増やしていき、1週間ぐらいかけて新しいフードが10割に切り替わるようなペースで切り替えを進めてあげると安心です。
新しいフードが合っているかの判断方法
新しいフードにしてから愛犬の身体の以下の点に変化がないかを観察します。
- 目の様子(目ヤニや涙が増えていないか、涙やけが悪化していないか)
- 耳の中の様子(汚れやすくなったり、臭いが強くなったりしていないか)
- 被毛の様子(脂っぽくなったり、逆にカサカサになったりしていないか)
一袋(1か月分)食べさせてみて、以前のフードを食べていたときと比べて上記に挙げた箇所に悪化するようなところがなければ、そのまま新しいフードに切り替えます。
合わなければ元に戻す
1カ月程度新しいドッグフードを食べさせてみて明らかに前のドッグフードを食べていた時より体調が悪くなっていたら、どんなに高品質のドッグフードであっても愛犬の体質には合わなかったと考えていったん元のフードに戻します。
そして、またほかのドッグフードを探してチャレンジしてみれば良いのです。
食物アレルギーもちのばあいは?
愛犬に食物アレルギーがあるばあい、そのアレルギーの治療に飼い主がどのように取り組むか?によってフードの選び方も変わってきます。
- アレルギー反応の出た食材を避けて一生を過ごすのか?
- 積極的に体質を改善してなんでも食べられる体作りをしていくのか?
によって取り組みは変わってきます。
本記事で取り上げた食材について今回はアレルギーの交差性について触れませんでした。
気になる方はご自身の愛犬の検査結果を基に、割けるべき食材について動物病院で獣医師に相談してみてください。
フード選びは迷ってOK
ドッグフードがなかなか決められないことを「フードジプシー」と言ったりします。
ですが、Suzyはフードジプシーを別に悪いだとは思いません。
季節や体調、年齢によって合う食べ物が変わるのは人も犬も同じです。
あまり気負わず、いろいろなドッグフードを試してみてはいかがでしょうか。
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