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あなたの愛犬「熊」になっていませんか?

「あなたの愛犬『熊』になっていませんか?」

と、聞かれて、

「うちの子、テディベアみたいに可愛いから、そういう意味では熊かな?」

とか、

「くまのプーさんみたいに可愛がってるから、熊かな?」

なんて、思った方もいるかもしれません。

中国で問題の「熊孩子」(​ションハイズ)

ここで言う「熊」とは、そうした愛されキャラとしての熊ではなく、中国で問題になっている「熊孩子」(​ションハイズ)のことです。

「熊孩子」(​ションハイズ)とは?

中国では1980年代に一人っ子政策の下に生まれ、蝶よ花よと過剰に溺愛されて育ってきた子どもたちは、「小皇帝/小皇后」と呼ばれてきました。

その彼らも2010年前後には、自分たちの子どもをもつ年齢になってきました。

彼らの子ども世代もまた親から溺愛されるあまり、しつけが不十分なまま育ってきたため、冗談では済まされない人命を軽んじるような深刻なイタズラを平気でするケースが後を絶ちません。

彼らの度の過ぎたイタズラによって、巨額の損害が出ることもあり、中国国内で社会問題となっています。

このような行為をする子どもたちを「熊孩子」(熊のように暴れる子ども)と呼んでいるのです。

叱らない親「熊家長」(ションジアチャン)

なお、叱らない親のことは「熊家長」(ションジアチャン)と呼ぶそうです。

大人になった小皇帝・小皇后たちは、中国で「巨嬰症」(巨大赤ちゃん病)と呼ばれています。

具体的には、精神年齢が赤ん坊レベルで、自己中心的でルールを守らず、予想外の事態が起きると情緒をコントロールできなくなり、幼児のような方法(泣く・わめく)で他人に譲歩させ、自分の目的を果たす大人のことです。

そうした、巨嬰症の大人が親になると「熊家長」になってしまうのだとか。

熊孩子のイタズラの例

  1. マンホールに爆竹を投げ込み、ふたを吹っ飛ばす。
  2. 父親のへそくりを見つけて半分くれないとママに言いつけると父親を恐喝。
  3. 農薬を購入して食用ザリガニの養殖池に投げ入れ、500キロ以上のザリガニを死なせた
  4. 香港の美術展で作品(2000万円相当)が子どもによって切り裂かれた
つぶやき人命にかかわるような行為であるにもかかわらず、本人たちはあくまでも「イタズラ」だと思っているところに、深刻な問題があります。

熊家長の対応例

以下は、小皇帝・小皇后を生み出した祖母の例ですが、子どもの不始末に対して熊家長がとる行動には以下のようなものがあるそうです。

自分の新車のボンネットをおもちゃで引っ掻いている子どもがいたので、子どもの家に注意しに行ったら、祖母が「孫が叱られてショックを受けた」として逆に治療費を請求してきた

人民中国インターネット版 2015年3月
ハフポスト 2019年7月7日

子どものしたことは親が責任負うべき

中国の新華社通信(中華人民共和国の国営通信社)は、この問題について以下のように論評しました。

子どもを信頼こそすれど、放任はいけない。関心を持っても溺愛はすべきではない。子どものしたことに発生する責任は、親が負うべきだ

ダイヤモンド 2023年6月9日

日本の犬の飼い主はどうか?

遠い外国の話だと思ってしまいがちですが、われわれ日本の飼い犬と飼い主の状況においても、非常に関連がありそうです。

愛犬の溺愛は「熊孩子犬」を生み出す

とくにトイプードル(さらに小さなティーカッププードル等を含む)をはじめとした超小型犬たちは小さくて可愛らしく、まるでぬいぐるみか赤ちゃんと接しているような気持ちになり、飼い主は蝶よ花よと過剰に溺愛してしまいがちです。

飼い主の溺愛行動

せっかくなので、「飼い主の溺愛行動」の事例について、AI先生に質問してみました。

すると、以下のような例を挙げてくれましたよ。

  • 犬が要求するたびに、おやつや食事を与える
  • 食事の量を制限しない
  • 散歩を嫌がったらすぐ抱っこして帰る
  • (散歩など本来必要な)嫌がることをしない
  • 吠えたり、噛んだりなどの問題行動を放置する
  • いたずらを叱らない
  • ハウスやトイレなどの基本的な躾をしない
  • 常に抱っこしたり撫でたりする
  • 犬の要求にすぐ応じる
  • 過剰に心配したり、構いすぎたりする

多少、日本語の不自然な部分や重複する部分には手を入れましたが、おおむね間違っていませんでした。

溺愛された犬はどうなるか?

では、上記のように飼い主に溺愛された犬はどうなるでしょう。

健康面の問題

(1)肥満

欲しいだけ、食べ物をもらっていたら確実に肥満になります。

人間同様、過剰なカロリー摂取は肥満の原因となり、糖尿病、関節炎、心臓病といった、肥満由来の疾患の原因となります。

人間よりも自制を司る脳部位が少ない犬にとって、ダイエットはとても辛いものになります。

また、飼い主が根負けしてダイエットすらすることができなければ、肥満由来の疾患に苦しみ、寿命を迎える前に亡くなることになるでしょう。

(2)歯周病

また、嫌がるからといって、歯磨きをしないでいれば3歳か遅くても5歳頃には歯周病になってしまいます。

歯周病になると、

  • お口が臭う
  • 歯が痛くてごはんが食べられなくなる
  • 常に痛むので不機嫌になる(いままで我慢できていたことを我慢できなくなる等)
  • 心血管系の病気や糖尿病になる

と、言われています。

(3)処置・投薬が困難

嫌がることを避け、したいようにさせてきた結果、病気になったとき、必要な処置や投薬を嫌がり、受け付けないことにもつながります。

本当に必要な薬は、美味しいオヤツに入れたり、食事に混ぜて食べさせて済ませることができないものもあります。

また、大人しく注射や輸液を受けることができないと命を助けるのが難しいこともあるでしょう。

本来であれば医療で助けられる命も、しつけを怠り好きなようにさせてきた結果、助けることができないということになってしまいます。

その時が来てから、過去を悔いても遅いのです。

つぶやき歳をとると頑固になるのはヒトもイヌも同じです。若いうちにいろいろな物事への許容範囲を広げ、シニア期になって許容範囲が狭くなってきても大丈夫なようにしておくことが大切なのです。

精神面の問題

常に構ってほしいと要求するようになり、飼い主と離れると精神的に不安定になります。

そして、留守番中に吠え続けたり、所かまわず排泄してあったり、家の中を壊したりすることがあります。

こうなると、帰宅後に家じゅうの排泄の片づけをしなければならなかったり、近所から苦情を受けてしまったりして、犬だけを留守番させて出かけることができなくなります。

社会的な問題

飼い主に溺愛されている犬たちは、他の犬や人と正しい方法で触れ合った経験がなく、他の犬や人と接する際の振舞い方を習得していません。

このため、他の犬や人に対して過剰に怯えたり、攻撃的になったりするなどの問題を引き起こします。

その結果、吠える、飛びつく、噛むなどの問題行動を起こし、他人をケガさせてしまい、訴訟に発展するケースもあります。

つぶやき犬が起こした事故を補償する保険に加入しているかどうか、確認しておくことをお勧めします。

愛犬を「熊孩子犬」にしないために

これまでの内容をみて、ただひたすらに愛犬を溺愛してしまうと、かえって愛犬を苦しめることになるとお気づきになったことと思います。

では、愛犬を「熊孩子犬」にしないためには、飼い主としてどのように関わっていけば良いのでしょうか?

以下の3つを実践すればよいだけなのです。

  1. 犬同士の正しいかかわり方を教える
  2. 飼い主がマナーを学び・守る
  3. 愛犬の自制心を養う手伝いをする

犬同士の正しいかかわり方を教える

飼い主が、母犬代わりとなって犬社会のルールやマナーを教える必要があります。

しかし、一人で実践するのはなかなか難しいため、最初はパックウォークやしつけ教室のグループレッスンなどに参加するのがお勧めです。

飼い主がマナーを学び・守る

「犬好きが犬嫌いを作る」という言葉があります。

「犬が嫌いだ」という人も、よくよく話を聞いてみれば、犬そのものが嫌いなのではなく、犬を飼っている人のマナーの悪さ、他者への配慮のなさに腹を立てているケースがほとんどです。

可愛い愛犬を嫌われ者にしないためには、われわれ飼い主一人ひとりのプロデュース力が重要になってきます。

愛犬の自制心を養う手伝いをする

犬自身が身につけるべきことはただ一つ。

「感情のコントロール」です。

カンタンに言ってしまえば「ガマンを覚える」ということです。

我慢というと可哀そうだという飼い主さんがいますが、別の言い方をすれば「悟りを開く」ということです。

トレーニングでは、その犬の個性や状況に合わせ、さまざまな方法をつかってワンちゃんの自制心を開発していきます。

まとめ

家庭で犬と暮らす飼い主さんには、

愛犬を「信頼」こそすれど「放任」はいけない。

「関心」を持っても「溺愛」はすべきではない。

愛犬のしたことに発生する責任は飼い主が負うべきだ。

という、強い責任感をもって、しつけに取り組んでほしいと思っています。

どうすることが信頼?

どうしたら放任?

なにをすると溺愛?

分からなくて困ったときは、お近くの専門家(しつけ教室や出張トレーナー)を頼ってみてくださいね。

犬の時間は人間の5倍の速さで進んでいます。

迷ったり悩んでいる時間がもったいないです。

保育士さんのように、あなたの犬(子)育てに適切なアドバイスをしてくれるはずです。

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Shizuka “Suzy” Ishida

Shizuka “Suzy” Ishida

2005年より東洋思想をベースにした「ごほうびにオヤツを使わない犬のしつけ方」を提唱。吠える・噛むの問題を抱えた小型犬のしつけを得意としていますが、保護犬の心のリハビリもしています。当サイトで提示しているしつけ方法はすべての犬に100%当てはまるものではありません。性格や状況によって対処方法はさまざまです。お試しになる際はあらかじめご理解のうえお願いいたします。

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